術後写真のせいで美容整形のトラブルは増加しているのか?

術後写真のせいで美容整形のトラブルは増加しているのか?

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アフターの写真はメイクしちゃダメ!!

 

とあるテレビ番組でこんな報道がされました。

 

内閣府特命担当大臣の河野太郎氏は、美容外科の公式サイトで使用されている術前・術後の写真について「虚偽誇大と言わざるを得ない。強く言っていく」と公言しました。

厚生労働省の医療機関ホームページガイドラインにも抵触するという。

 

そして、美容整形に関するトラブルも、以前に比べて10倍に増加したそうです。

 

それを見ていた私としては「ん?術後のメイクあり写真とトラブル増加って関係あるの?」とその編集に対し疑問を持ちました。

 

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クリニックは写真を変えればいいじゃない

 

これを受け、各美容外科は肝を冷やしたと思います。

 

ただ、お上から何か言われたら、総務かサイト作成を頼んでいる業者に依頼してさっさと写真をすり替えれば良いだけの話ではあります。

 

作業としては面倒なものではありますが、ほとんどの美容外科では、スッピン整形前・スッピン整形後・整形後のメイクなし・整形後のメイクありの状態を撮影していますから、「めちゃくちゃ写真素材に困る!」ということはないと思います。

 

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たまに“整形後・メイクなし”を省いたりもしますが、これは「キレイにメイクしてある状態で写真撮影できるからいい!」という点と「患者もメイクを落とすの面倒だろうし…」という二つの理由があると思います。

クリニックを擁護するわけではないのですが、ただただ「ビフォーアフターのすごさをアピりたい!」という目的だけではないと思います。

 

確かに目の整形なんかはアイメイクとかカラコンでものすっごく変わったように見えるので、「整形するぞ!」と意気込み舞い上がった若いお嬢さんであれば過度な期待とか勘違いをしてしまうかもしれません。

でも大抵の女性は「ここまでは二重になった変化、これ以上はメイクでの変化」というのがわかると思います。

 

ですので、「アフターの写真がメイクあり=トラブルの元になる!」という考え方はなんとも短絡的であると言わざるを得ません。

 

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写真撮影は必ずするもの

 

美容外科に行き慣れていない人からすると、「モニター応募はしておらず正規の金額を払っているのになんで写真を撮られないといけないの?」とか「勝手に写真使ってるんじゃないでしょうね?!」など、写真を撮られることに対して不信感を抱くかもしれません。

 

しかしこれは、診療録に記録するための大切な作業なのです。都度写真を撮っているクリニックの方がむしろ、“ちゃんとしている”と言えるでしょう。

 

もちろんその写真が見たければ、患者は見ることも可能です。

カルテ開示の請求は患者の権利だからです。ただし、印刷代などは請求されると思います。意外に思われるかもしれませんが、一般の病院でもこれは同じで普通なことです。

 

まあ、何かあった時のために経過は自分で写真撮影しておくことも重要だと思います。

 

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トラブルに見舞われましたって言うケド…

 

冒頭でお話ししたテレビ番組のその報道は、大臣の発言の後に整形失敗経験者を取り上げるという流れにしていました。

 

その女性は目の二重整形を受けたが、目の開きが悪く見た目も「整形でしょ」と指摘されるような仕上がりになってしまった、と訴えます。

 

医師3

 

私はそこでまた違和感を感じました。

報道の構成もおかしいのももちろんですが、「悪いのは美容外科だけなのか?」ということです。

 

私も“受ける側”の人間ですから、美容外科に対してはいつも厳しい目を持っており、おかしいと思ったことは遠慮なくぶつけて、納得いく説明が受けられるまでネチネチやります(笑)

そして「このクリニックで受けて大丈夫なのか?」ということを、時間をかけて考えます。

 

取材に応じていた女性は、満足いく仕上がりにならず本当に気の毒だと思いますし、腕の悪いドクターに当たってしまって本当に辛かっただろうなと思います。

この先はこの女性のことについて言っているわけではないことを先に申し上げておきます。

 

医師2

医者の言うことを聞いていますか?

 

整形の仕上がりが不満足な結果になった場合、患者がカウンセリングを受けた時に、“どのように相談したか、どのような説明を受けたのか”ということも振り返らなくてはいけません。

 

例えば、「とにかく幅を広くしたい。しかも腫れたり傷ができたら困るので、絶対埋没にしてください。」などと言っていないか。

 

あなたは皮膚や脂肪の厚みがあるから埋没法では難しいですよ。全切開にした方がいいですよ」と言われたら、「この医者は高い方の手術を勧めようとしている!」と決めつけ「いいんです、埋没法でできる範囲でやってください」と医者の忠告を無視して押し切ってはいないでしょうか?

医師5

 

そうしてプロの意見を無視して自分の希望を通した結果、満足いく仕上がりを得られなかった。

そして修正で向かったクリニックでは、「ドクターの言う通りにしないと治らないよ」的なことを感じとり、全切開での手術やデザインを欲張りすぎないようにしてうまくいった。そんな流れがないとは限りません。

 

まだまだ日本では整形に対してマイナスなイメージがつきまとっていますし、メディアは真相を理解しておらず、もしくは本当のことをわかっていてもセンセーショナルな印象にするために重要な背景を報じることなく危険性のみにスポットを当てます。

 

もちろん、中にはデタラメな医者もいて、技術や知識が明らかに不足しているのに自分の身の丈以上の手術を行ったり、きちんと詳細を説明しない不届き者もいます。

 

ですから、患者はしっかりとドクターの実績や評判のほか、治療内容の説明、実際に顔を合わせた時の態度・印象・違和感を感じとって判断材料にする必要があります。

 

医師1

 

しかし、100%手術する側が悪いとか、広告の仕方が悪いとか、公式サイトで「今キャンペーン中!」といって施術を受けることを煽ったからいけないんだ、みたいなのはナンセンスでしかないですね。

 

ますます美容整形の需要は上がっていくと思います。国としては「放っておくのもアレだから何か対策を」と思っているのだとは思いますが、今回の策が有効であるかどうかは微妙です。

 

それよりも、何か事故やトラブルがあった時に専門家チームが公平な調査をしてくれる第三者機関の設置なんかをして欲しいものです。

 

医師4